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IATF16949内部監査について

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IATF16949 internal audit

IATF16949内部監査について

内部監査の重要性

会社の業務運営,すなわちマネジメントシステムの運営という観点から考えると,「内部監査」は「マネジメントレビュー」と並んで最も重要な機能とされています。つまり,会社が内部監査というものをどのように認識し実施しているかによって,その会社のマネジメントシステム運営の実力が分かります。

内部監査の目的

内部監査は,自社の業務システムに問題のないことを確認する,そしてもし弱点があれば問題を起こす前にそれを補強して問題の発生を予防する(すなわち失敗防止機能)という目的で実施されます。その過程では,抱えているリスクの大きさに応じた適切な判断が求められます。

リスクマネジメント

監査を実施すると管理コストは増加しますが,効果的な監査が実施できれば失敗が減るので失敗コストが低減します。さらに,失敗が減ることにより顧客からの信頼感も高まります。失敗が巨額の損失につながり得ることを考慮した場合,リスクマネジメントの一環としても監査を活用しない手はないでしょう。

なお,製造工程監査を行う監査員に必要とされる力量には,製造に関わる固有技術が含まれます。マネジメントシステムに関わる力量はそれほど要求されないにしても,製品及び製造に関わる知識・スキルは十分に備えている必要があります。

そして,IATF16949認証制度の基本ルールにおいても,受審組織の準備状況を判定する際に,審査機関が焦点を合わせるべき対象として,「内部監査の計画及び結果」を挙げています。

自動車産業プロセスアプローチ

IATF16949内部監査において重視されるのが「自動車産業プロセスアプローチ」です。
これは、ISO9001でいう「プロセスアプローチ」とは概念的に異なるもので、インプット及びアウトプットを敢えて次のように定義します。
インプット:顧客ニーズ
アウトプット:満たされた顧客ニーズ
そして、COP(Customer Oriented Process)を重視し、プロセスの分析にタートル図を活用するということが「自動車産業プロセスアプローチ」の特徴となります。これによって,業務システムの評価が的確にできるため、国際的に高い評価を受けています。

効果的な内部監査を行うには

このように非常に重要な内部監査ですが効果的な内部監査を行うためには,その目的をしっかりと特定し,監査範囲・監査基準を正しく設定することはもとより,内部監査員の力量が十分に備わっているということが最低限の必要条件になります。

なぜなら,内部監査(特にマネジメントシステムの監査)は,会社の複雑な業務の実態をシステム的に調べ,その複雑な業務の適合性や有効性をリスクとともに評価するものであるため,業務の実態を理解・判断できる力量がないと,当然のことながらそれらを的確に評価することはできないからです。

それゆえ,IATF16949の内部監査においては,IATF16949規格やコアツール(APQP・PPAP・FMEA・MSA・SPC),自動車産業プロセスアプローチなどに関する力量が十分でない場合,会社にとって“価値ある評価”を行えない可能性が高くなります。その場合,内部監査は形骸化し無益なものになってしまいます。そのため,内部監査を重視し,内部監査員の力量を向上させることに力を入れる会社も増えてきています。

ただ,会社にとって悩ましいのは
◆ 内部監査員の力量として具体的にどの程度のレベルが必要なのか
◆ 力量をどのように評価すればよいのか
◆ 教育訓練をどのように行えばよいのか
が分かりづらいことです。

内部監査員の力量

欧米の自動車メーカーもIATF16949規格要求事項を補足する「顧客固有要求事項」の中で,内部監査員の資格要件を厳しく要求していますが,顧客固有要求事項に記載されている要件を数日間の研修のみで満たすことを意図したものではありません。

なぜなら,IATF16949で要求されているレベルの内部監査を行うための,十分な力量を身に付けるのは容易ではないことは自動車メーカーとしても当然理解しているからです。つまり,数日間の内部監査研修を受けた人をすぐに内部監査員に任命することは,内部監査が形骸化するリスクを大きく高めていると言えるでしょう。

なお,IATF/AIAGはIATF16949公式コースの構成を次のように定めております。
IATF16949要求事項セミナー (2日)
APQP&PPAPセミナー (2日)
FMEAセミナー (1日)
MSAセミナー (1日)
SPCセミナー (1日)
IATF16949内部監査セミナー (2日)

そして,以上のコースについての力量があることを客観的に評価するための資格として,
サプライヤー監査員(SAC)試験コース(4日) を導入しています。

IATF16949サプライヤー監査員(SAC)資格

このSAC資格制度は,サプライヤーの内部監査員がIATF承認審査機関のIATF16949審査員とほぼ同等の研修コース及び試験を受けて,試験に合格するとIATF/AIAGからSAC資格証明書が授与されます。

これはIATF/AIAGが第一者監査員(内部監査)・第二者監査員(サプライヤー監査員)としての資格を認定するというもので,GM/フォード/ステランティスの3社も“公式”にこの資格を認めています。

SAC資格を取得することが出来れば,会社にとって悩みの種であった

◆ 内部監査員の力量として具体的にどの程度のレベルが必要なのか
◆ 力量をどのように評価すればよいのか
◆ 教育訓練をどのように行えばよいのか
という点を解決することが出来ます。

 

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