MSA (Measurement System Analysis)とは
コアツールの1つであるMSAは「測定システム解析」と呼ばれ,測定における誤差(バラツキ)を定量的に評価する方法です。
MSAは工程能力あるいは工程性能の評価をはじめ,合否判定基準の設定や各種測定データの誤差評価等に必須といわれています。
製品品質に関する判断
測定データの質は,(安定した状態で運用される)測定システムから得られる複数の測定値の統計的特性により決定されます。
そして,製品品質に関する種々の判断は,合否判定をはじめ工程条件の良し悪しなど,現場から得られるデータを基にしているので,そのデータに含まれる「測定による誤差」をしっかりと評価しようというのが,このMSA(測定システム解析)という手法です。
これは,校正だけでは,その誤差の評価は十分でないという問題認識がその基本にあります。
実際にデータをとって解析してみると,繰返し測定による誤差,及び測定者の違いによる誤差が,製造工程の変動による誤差と比べ,無視できない大きな割合を占めていることがあります。
また,この測定システムによる誤差が工程能力指数を表す指数(工程能力)にも大きな影響を与えることがあるので,注意が必要です。
MSAはコアツールの中でも難解な技法であり,用語の“正しい”理解や手法の意図をきちんと押さえておくことが必要です。
関連書籍
[英] MSA参照マニュアル第4版
[日] MSA第4版スタディガイド
- 【MSA参照マニュアル第4版の構成】
- 第Ⅰ章 測定システム一般指針
- 第Ⅱ章 測定システム評価のための一般概念
- 第Ⅲ章 反復可能なシステムに対する推奨実践方法
- 第Ⅳ章 その他の測定の概念及び実践方法
- 附属書
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